霊山立山で修行
標高は3003メートル、まさに一万尺。
日本三霊山の立山頂上に鎮座する雄山神社で神主として奉仕しております。毎年夏の時期だけ、修行の場として山に籠る生活が常となりました。
大宝元年(701)に開山された雄山神社は、アメノタジカラオの神とイザナギの神を祀り、麓の芦峅と岩峅の雄山神社と頂上峰本社の三社一体の神社です。
立山という山はなく、通常は主峰の雄山と最高峰の大汝山と富士の折立の三山をいい、また立山三山行った場合に更に別山と浄土山を含みます。タテ山が古はタチ山と呼ばれていたことからも、その奥にある剱岳が信仰上重要視されていたことは間違いありませんが、立山と剱岳は区別されています。
御来光を求めて沢山の方々が頂上を目指して毎日お参りに来られます。雲間に隠れる日も雨の日もありますから、必ず拝めるわけではない日の出の太陽が、より尊く感じます。当たり前が当たり前でなく、ありがたいと感じる朝日です。
立山アルペンルートの整備により、地鉄からケーブルカーと登山バスを経由して標高2400メートルの室堂まで行くことができ、そこから個人差はありますが2時間ほどで山の頂に至りますので、小学生でも登ってくることができます。
昔は立山に登ることが成人の証であり、現在でも富山県下の小学生はこの時期に登拝する習慣が残っています。
頂上では神主が登山の安全と身体健全のご祈願を行っており、信仰の山を守っています。私は今回で5度目の奉仕となりました。山に入る度に、さまざまな学びを得、新しきご縁を頂きます。
神社にはいつも神様がお祀りされていますが、神主が奉仕するのは夏の間3ヶ月のみとなっており、この期間に2万人以上の方々が頂上参拝されます。一生に一度の場合もありますし、何十年ぶりかに登ってくる方も、また毎年いらっしゃる方もいて、其々ですが下界とは全く違った世界に感動してお帰りになります。
今年は晴天が続き、日本三霊山の富士山・白山はもとより遠き近きの霊峰山々が良く見渡せています。
私は秋までご奉仕の予定です。皆様のお越しをお待ちしております。