職業ナカトリモチ

神と人を結ぶ神主さんを中執持といいます。 糸島・金沢を舞台に神社の奉仕、地元を案内するガイド・添乗員、予備自衛官・防災士などの様々な活動をしながら日々の事を綴るブログです。救命講習、 パソコンや進路指導、観光、郷土史や神話の各種講師業も行なっております。

令和も霊山修行

毎年夏は日本三霊山立山にいます。主峰の雄山頂上にある雄山神社峰本社で助勤奉仕しています。今年から糸島市消防団操法大会が隔年開催に変更され、いつもなら7月の下旬から山籠りでしたが、今年は開山前の6月下旬からご奉仕しております。

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頂上では日の出と共に神様にお食事をお供えする日供祭を執り行いますので、それに合わせて起床となります。7月は4時半頃ですが、だんだんに遅くなっていきます。雨で登拝する方もいない時は、6時に起床です。夜は消灯が9時なのでその時はゆっくりできます。

日の出、御来光に間に合うように未明から出発し登拝する方々は頂上参拝の受付をして登山安全・身体健全のご祈願をお受け頂きます。

週末や夏休みシーズンになると朝から多くの人で頂上は賑わい、多い日には1000人以上の方が来られます。7〜9月の3ヶ月間のみ、麓にある2社の雄山神社の神主とその他助勤奉仕の神主が頂上峰本社でご奉仕となります。毎年3万人を超える方々に登山安全のご祈願を奉仕します。

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山の気温は7月で平気8度ほどです。8月には気温が上がりますが、短い夏が終わり秋が来たと思う頃の9月には雪が降り始めます。そうした事から頂上ではストーブが必須となっています。暖をとるのは勿論ですが、煮炊きの為にも使用しています。

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ライフラインである電気は発電機を用い、ガスはプロパンガスがあるので使用できます。一番大変なのは水で、基本的に雨水を貯めて普段使用しています。その為、晴天が続くと水が不足して苦労します。神明に奉仕する者として、身を綺麗にすることに気を使っていますが、風呂はなくシャワーを週に2度浴びる程度です。従って洗面器にお湯を張って体を拭いて清めています。山の上での生活はさほど汗を掻くことはありません。神社でなければ3〜4日お風呂に入らなくても特に苦にはならないと思います。

携帯電話の電波は年を追うごとに良くなっていて、場所によっては繋がります(笑)

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私は今年で7度目のご奉仕で、夏は山にいることがライフスタイルの一部になっています。初めてご奉仕した時は20歳になる年でした。それ以来毎年夏になると立山に行きたくなっていましたが、何度か遊びに行くことはできても、なかなかご奉仕の機会は得られませんでした。

そうした思いがある中、大学卒業後に奉職した神社本庁を6年で退官し、再び立山奉仕が叶いました。地元に戻って神社を引継ぎ、陸上自衛隊で訓練を受けて予備自衛官になり、観光の仕事や講師の仕事をしながら、毎年夏は立山にいます。

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出来るならば、地元の糸島を離れることなく神明奉仕に勤しむことが私の願いですが、自社のみでは生活する基盤にはなり得ません。お蔭様で神社以外の副業で収入を得ていますが、家族6人を支える年収には程遠いです。こうして立山でご奉仕させて頂くことで家族の生活がギリギリ維持できています。糸島で活動が出来るのも立山の大神様の御恵みによるものと感謝しています。

平成30年の1月に糸島市議会議員選挙に出馬した際に人生で初めて多額の借金を作り、落選した後はとにかく返済が人生の最優先事項になっています。敗戦処理がまだ続いているという状況で、地元の活動の為に仕事を断りながらでもどうにか継続しておりますが、以前よりも制限されている現状にお叱りを受けることもあります。苦しい思いがあるものの、自ら手を挙げ挑んだ選挙に応援してくださり、今も尚支援してくださっている方々の付託に応えられていない自分が不甲斐ないです。

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今はまだ修行半ばにありますが、必ずや地元糸島の為、そして日本の為に立派なはたらきを出来るようにと研鑽を積んでおります。不惑の歳まであと4年となり、それまでに実戦に努めながら世に認められる人材となりたく思います。